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butagami
recordsの実に2年ぶりのフルサイズのアルバムは「フェイクアコースティックポップス」というテーマをを掲げました。バリバリの打ち込みサウンドの
曲もありますが、多くの曲はギターとドラムを特に生音風なのを選び、できるだけシンプルに曲作りをしました。
一方、歌詞の方はアルバムタイトル「Adolescence=思春期、青春」の通り初音ミクと鏡音リンの年齢設定に合わせて10代の未成熟でみずみずし
い雰囲気を自然と目指すようになりました(そうでない曲もありますが……)。
完成前の2週間は食中毒や高熱で苦しみ続けてる中、薬が効いてるうちに曲を作るなどといった無謀な生活をしていました。ホントバカです。おかげでヘンな
体重の減り方したり、髪の毛がよく抜けました。でも完成してみればそれもいいス
パイスになったのかなと思えます。それでは1曲ずつ解説していきます。
1.
パラレルワールド by初音ミク
1曲目はとある人からアニソンっぽいの作ってと言われて作った曲。歌詞、コード進行、ベースはアルバム中で一番気に入ってます。この曲のベー
スはアドリブで一発でキーボードを弾いて打ち込んだものだったりします。使っているのはFL
Slayer。実は初めてベースとして使いましたがこりゃいいわ〜。最高の存在感です。歌詞は頭の中で物語を考えてから考えました。いつもは詞を考えなが
ら世界観を固めていくので自分としては異例でした。この曲はアニメのオープニング曲を仮想したものだったのでエンディングの曲を作ろう!と思ってました
が、コレを書いてる時点ではまだ構想が固まってません。。そのうち必ず……
2.
Forever Friend by鏡音リン
久々に帰郷し、昔のことを思い出してセンチメンタルな気分になってるアルバム中で歌詞の年齢設定が一番高い曲(笑)。この曲は恐らくアルバム中で一番時
間をかけて作った曲だと思います。3月の頭ごろに曲の原型は出来上がっていながら約一月休みがなく結局出来上がったのは5月末。アルバム中で一番ヘンな
コード進行にストレートなメロディを載っけて、アレンジをいつくも試し、切ない雰囲気を出すようこだわりました。ストリングスのアレンジはメロトロン風の
ス
トリングスを使ってみたり、エレキギターのエフェクトにはロータリースピーカーとトレモロを使うなどして今まではやらなかったことを試し、自分の引き出し
を増やせたと思います。あとドラムは生音って感じに聞こえますが、実はビートを切り刻んで意外と細かく再構成したブレイクビーツだったりします。これは
sliceXという楽しいソフトがFL Studioに搭載されたお陰です。
3.
マーメイド -album mix- by初音ミク
ここでアコギ中心の前2曲から一気に方向転換でちょっぴりディープ気味のハウスへ。青白い海の中をイメージできるようこだわって作ったシンセ音の数々、
サックスのピッチとエクスプレッションとリバーブの設定、タイトなドラムとベースのシンコペーション、ベースとパッドのキックとのダッキング具合など気持
ちよく聴こえるような音作りに時間をかけた曲です。その分手薄になっちゃったメロディはもうちょっとフュージョン的な方向にすべきだったなあとちょっと後
悔。ちーとばかしキャッチーすぎるかな。
4.
beyond the border by鏡音リン
3曲目から連続で4つ打ち曲ですが、こちらは完全なダンスポップ。イベントまであと10日を切ったころに一気に作った曲で、全曲中で一番早くできた曲で
す。作りためてたsynth1の音を中心にそれとhypersonic2のみで作りました。ドラムの音は他から持ってきたけど……。全体的にまったりとか
アンニュイな感じの多いアルバムの中でパラレルワールド共にアルバムにハリを持たせてくれた曲だと思います。
5.
トルストイとサリンジャーとビスケット by初音ミク
原型は1月のボーマスの時点で出そうと思ってボツにした曲だったりします。もっとギターの音を多用してギターポップぽさを出そうと思いもしましたが、シ
ンセのアルペジオを使うことで自分っぽい曲ができたかなと思います。しかしソプラノリコーダーの音はいいなぁ〜歌詞の若々しい雰囲気とあうんじゃないかな
と思ってます。大サビ前のギターソロは普通の音に聞こえるけど実はブレイクビーツみたいなもんです。Liquid
Guitarというソフトにあったフレーズをいくつかムリヤリ繋いでどうにか作ったフレーズだったりします。
6.
Electrocutionist by鏡音リン
使っている音はsynth1のみ(一部センド使ったリバーブとディレイ、キックに使ったコンプ以外エフェクトもsynth1のみ)。歌詞はオブラートに
包みつつも競馬の事と言う趣味全開の曲。競馬ファンの人しかわからない歌詞のネタバレをすると、青い服=ゴドルフィンの勝負服、偉大な王=モハメド殿下、
英雄=ゼンノロブロイ、灰色の騎士=チェリーミックス、嵐=ハリケーンラン、といったところでしょうか。
※CDの歌詞の2番のサビが一部抜けています。申し訳ありませんでした。歌詞はこちらに
掲載しております。
7.
Colorful by初音ミク
雨上がり爽やかポップス。butagami
recordsとしては珍しく夏をテーマにした季節モノです。大分制作が終盤に差し掛かった時に作った曲(とはいえ実はある程度作ってあったのをリメイク
したもの
ですが)で、この曲を作っていてやっと自分はJ-POP的な聞かせ方は下手くそだなと気づきました。わかりやすいメロディラインと後半にベルのアレンジを
入れてちょっとはJ-POPぽさが出てるかなと思います。でもバッキングがあまりにストイックな構成なので渋すぎますね。もっとシンセのキラキラした音
や、
せめてストリングの音はちゃんと入れるべきでした厚みがないと言うかホントそっけない。でもコレはコレでかなり「フェイクアコースティックポップス」でき
たかなとも思ってます。イントロから
メロに入るところで転調してるのもそこそこ自然な感じでいいかな。
8. my heart,my wish by鏡音リン
無機質なボーカロイドでとにかくエモーショナルな泣きメロディ&歌詞の曲を作ってみたくて出来上がったのがこの曲。イントロからソロですっ飛ば
してるギターは物理モデリングシンセのギター、slayer2。音が独特なので音楽やってる人には「おっ!slayer使ってるな!」とバレやすいシンセ
なのでエフェクトを使いまくって多少ごまかしました。歌詞は恋愛の中の矛盾、疑念、制御不能の激情などなど落ち着きのない10代の恋愛観をストレートに出
しました。
ボーカロイドの高い声は聞き取りづらくて個人的に好きではないのですが、この曲の大サビでの「こんな〜♪」って高音の部分は気に入ってます。
9.
inner sanctuary by初音ミク
イベント2日前、一番最後に出来た曲。butagami
records伝統のダウナーソング。こういった曲は尊敬するカナダのアーティスト、Deleriumの影響がほとんどです。浮遊感のある打ち込みと妖し
げな民族サンプルとボーカルを絡める曲はこれからもずっと作り続けるでしょう。こういう曲に限らず、音楽を始めたころにDeleriumに大ハマリしてい
て、以来ずっと目標にしてたアーティストなのでシンセの使い方とかすごい影響を受けています。そのうちこの方向性だけでアルバム作りたいですわ〜。
とかなんとか言いながらこの曲は実は深夜にとあるアニメをぼんやり見ていて刺激を受けて考えた歌詞の世界観から曲を作り始めました。inner
sanctuary…奥の院。わかる方ならすぐおわかりになりますよね?
10. sweet love by初音ミク
タイトルどおり甘ったるくて柔らか〜いアイドルポップス。実はChris Hein
Guitarsというギター専門のソフト音源をDL購入してそのsteel
guitarの威力を試すために作った曲です。ソロもコード弾きもアルペジオも最高に良
い音してくれます(ちょっと打ち込み失敗してる箇所もありますが)。ピアノとギターとベースはアドリブな感じでノリノリで鍵盤を弾きながら打ち込みまし
た。サビで入る4つ打ちのキックの音はファイルのプ
ロパティをみてみたら3年以上前に作ったwavファイルでした^^;いつかサイケトランスで使おうと作ったとっておきのキックでしたが今更こんなアコース
ティック成分多めなポップスに使うなんて……。自分の音楽性の変化に驚いております。
歌詞は微笑ましくも幼い恋愛。こんなピュアな感情は大人にはないっすよね〜
歌詞のピュアってか清潔感?みたいなのとこのオケは相性はまぁよかったかなと思っております。
11. 少しだけの勇気 -Miku ver.- by初音ミク
最後の曲は前作「trippin'!」で鏡音リンで作った曲を
初音ミクにしてちょっとアレンジも加えた曲。イベントの際に「trippin'」での鏡音リンのバージョンを試聴してくださった方に「ミクの方があってな
いですか?」と言われたのが制作のきっかけです。それも2人か3人の人に言われたので……。自分では鏡音リンでよかったんじゃないかと思っていましたが、
ミクで打ち込んでみると確かに声質的にこっちの方があってる気がしてきました。
今回のアルバムで作曲した曲でここまでアイドルポップな曲はなかったので、またそのうちこの方向性のやりたいですね〜
全体を振り返って……
今回もまたけつかっちんな制作をしてしまい後悔。いつもながら計画性のなさは大きな課題です。制作途中で投げ出してボツにした曲も多く、自分の飽きっぽ
さにもがっかり。ギターは打ち込みでどれだけ頑張れるかとハッスルしましたが、やっぱり弾きたいですね〜弾けないけど。。。 アコギの宅録は無理にしても
クローゼットにしまってあるストラトタイプのギターを生かさなきゃ。
あとはマスタリング。最初に手がけたパラレルワールドを基準にしてマスタリングしていたら過剰処理になってしまった。コンプが掛かりまくった音はそれで
それで好きなんですが、今回はやりすぎ。次回はもうちょい落ち着いた音にします。
それとジャケットですが、わかりにくいですが大学ノートとペンとなんかの冊子が写ってます。大学ノートに触れる機会なんてもうないな〜。
他にもダメダメな点が多くて、なんだかネガティブな反省ばかりです。もっと精進していい音をお届けできるよう、そして自己満足もできるよう努力していき
ます。ご感想やご意見などなどございましたらメールでも拍手でもイベントのときにでも是非お聞かせくださいね〜。
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